どのようなものでも、新しいサービスを利用するときには「本当に大丈夫?」「思っているようなサービスを受けられるのだろうか?」など、不安を感じてしまうものだ。
とくに自分の人生が関わるであろう退職を依頼する「退職代行サービス」なら、尚さらではないだろうか?
「会社とトラブルになることはないの?」
「再就職になにか影響があるとか、問題になることはないの?」
など、考えてしまうであろう。
しかし、サービスの利用を検討している会社員にとっては、「辞めたいけれど言い出せない…」「上司へ退職を切り出したのに辞めさせてくれない…」などの悩みを抱え、自分ではどうしようもないと考え退職代行サービスへ依頼するのだ。
どのような性質のトラブルや問題点があるのかを知ることで、自分にとっても有用なサービスなのかを判断できるだろう。
このページでは、退職代行サービスで考えられるトラブルや、問題点を紹介した上で、安心して依頼するためのポイントを紹介する。
それらを参考に、退職代行サービスが自分マッチした有用なサービスなのかを判断してみよう。
退職代行によるトラブルの種類と事例
大きく分けると、以下の2種類のようなことが考えられる。
- 金銭トラブル
- 退職する会社とのトラブル
それぞれ、具体的にどのようケースがあるのかを見ていこう。
金銭トラブル
サービスを利用するにあたり、最も不安に感じるのはお金の問題ではないだろうか。退職するなら少しでもお金は無駄にしたくないものだ。
考えられる金銭トラブルをいくつか紹介しよう。
また、原因となりそうなことも挙げていくので、しっかりと確認してもらいたい。
入金したのに代行業務が行われない
退職代行サービスのほとんどが、料金を「前払い」としている。
そのため以下のようなケースが考えられるのではないだろうか。
考えられるケース
- 支払った後に連絡が取れなくなり、代行業務も行われない
- 代行業務が行われるも失敗し連絡が取れなくなり、さらに返金もされない
どちらも悪質な詐欺と言わざるを得ないことだろう。
原因として考えられること
- 料金が相場金額よりも著しく安かった(相場料金は2020年1月現在、3〜5万円)
- ホームページなどがなく、掲示板やSNSで受け付ける業者だった
- 退職成功率などの実績などが不明な業者であった
- そもそも詐欺が目的の業者であった
これらの原因が考えられる。
追加料金を請求される
高額な追加料金が請求されるという不安もあるだろう。
以下のようなケースが考えられる。
考えられるケース
- 代行業務は行われ退職できたが「経費が思った以上に発生した」など、高額な追加料金を請求される
- 特殊なケースなどと言われ、料金を支払った後に「代行業務を続けるためには追加料金が必要です」などと、請求される
これらは、詐欺と考えてもよいことではないだろうか。
原因として考えられること
- ホームページなどに、追加料金無しや返金保証有りなどの記載がない
- 依頼前の確認不足
- 依頼時に退職する会社の情報が、しっかりと伝わっていなかった
- そもそも詐欺が目的の業者であった
依頼者のミスでは?と考えてしまいがちだが、高額な追加料金を請求や、払わなければ業務を続けないなどは、悪質な詐欺の可能性が高いのではないだろうか。
退職する会社とのトラブル
一般的に考えれば、退職の意思を会社や上司へ伝えるのは、本人がするべきことだろう。
しかし、退職代行サービスを検討する理由には、「会社側が辞めさせてくれない」という性質があるものだ。
精神的にも肉体的にも追い込まれているのに辞めさせてくれない…。このような状況なら、他人の力を借りたくなるのも自然なことではないだろうか。
ただ、簡単に辞めさせてくれないような会社に対し、退職代行サービスを利用したらトラブルになるのでは?という不安もあるだろう。
ここでは、辞める会社とトラブルになる可能性があることを紹介しよう。
会社から連絡、訪問者がくる
誰にも会いたくない、話したくないから退職代行を利用するという人もいるだろう。
そのため、会社の誰かがコンタクトを取ってくること自体がトラブルとなるのだ。
考えられるケース
- 会社から電話がくる。電話にでなくいと何度も電話をしてくる
- 会社から上司や同僚などが、自宅に訪問してくる。出ないと自宅付近で待ち伏せされる
精神的につらいとき、会社から上記のようなことをされると恐怖すら感じてしまうだろう。
嫌がらせを受ける!?
辞めさせてくれない会社…となると退職代行を使ったことにより、嫌がらせを受けるのでは?と不安を感じている会社員も少なくはないのでは?
考えられるケース
- 会社から損害賠償請求をされてしまう
- 解雇扱いにされてしまう
- 退職書類を送ってくれない
会社から逆恨みされ、嫌がらせを受けてしまうことも考えられるのだ。
安心できる退職代行選びのポイント
退職代行サービスには数多くの業者があるため、どのように選ぶべきなのか難しく感じる会社員もいるだろう。初めて利用するサービスなら、尚さらではないだろうか。
しかし、退職代行を選ぶポイントを知っておくことで、前述したようなトラブルを防げる可能性もあるのだ。
また、自分が勤めている職場環境や、退職できない状況などによって選択すべき代行業者も考慮する必要もある。
金銭トラブルを防ぐポイント
金銭トラブルを防ぐためには、基本的に以下のようなことに注目し業者を選ぶべきだ。
退職代行業者と最初に連絡を取る方法は、ホームページのコンタクトフォームからというケースが多い。
ホームページを確認
まずホームページが無い業者や内容が薄すぎる業者は避けるようにし、以下のポイントにも注目しよう。
- しっかりと実績を明記している(よく耳にする業者であれば安心)
- 料金がわかりやすく明記されている
- 返金保証や追加料金について、しっかりと明記されている
- 経営者や運営者情報が明記されている
依頼前にしっかりと確認
依頼前には、追加料金や返金保証などについてしっかりと質問しておくようにしよう。
- 電話ではなく、LINEやメールなど文字記録として残せるもので質問する
- 業者の口コミなどで評判を確認しておく
- 2ch(現5ch)などで調べるのも参考になる
- 口コミが無いような業者には依頼せず、口コミが多い業者への依頼を検討する
文字に残しておくことで、トラブルを防げる可能性も上げられるだろう。
また、口コミ内容も大切だが、口コミが無い業者は利用者がいないとも考えられる。そのため、怪しいと疑ってみることも重要だ。
退職代行サービスの利用を検討している会社員なら、実績有る業者の名前くらい知っているのではないか。
無名で口コミが無い安価な業者よりも、実績有る業者に依頼する方が安全である可能性が高いということだ。
退職する会社とのトラブルを防ぐポイント
会社とのトラブルを防ぐためには、依頼方法や業者の種類選びを意識する必要がある。
退職代行業者には、弁護士事務所、労働組合、一般企業と3種類あるが、それぞれの対応方法やできることなどには違いがあるのだ。詳しくは関連記事を確認してほしい。
基本的に、トラブルとなった場合は弁護士対応の代行サービスを利用することで、かなりの確率で回避、解決できるのだが、一般企業業者であっても依頼方法を工夫すれば防げるケースもあるのだ。
会社からの連絡や訪問を防ぎたい
- 「会社からの連絡や訪問はお断り」と伝えてもらうように依頼する
「100%防ぐことはできない」としている業者は多いですが、実際に連絡を受けた会社はどう思うだろう。
第三者から「〇〇さんは退職を望んでいます。〇〇さんは連絡や訪問など絶対にしないで欲しいと望んでいます」などと伝えられたら、なかなか連絡する気にはならないのではないだろうか。
もちろん、初めから弁護士へ依頼することで防ぐことはできるが、第三者からの連絡はかなり効果的と言えるだろう。
ハラスメントや、退職希望を無視していたなど問題ある上司なら「本人からの代理で連絡した」と聞いただけで、ビビってしまうのではないだろうか。
会社からの嫌がらせを防ぎたい
ほとんどの場合は、理不尽なものだろう。実際には、弁護士へ依頼することで、ほとんど嫌がらせを受ける心配はないと言えることだが…。
しかし、たとえば理不尽な損害賠償請求をされたとしよう。この場合、対応しなければ会社側の言い分が通ってしまう可能性もあるのだ。
それを防ぐためには、弁護士や労働組合の代行サービスを利用し交渉してもらう必要もでてくる。また、本当に訴えられ裁判になったなら弁護士しか対応できない。
また、会社側にも顧問弁護士がいる…という心配もあるだろう。
ただ考えてみて欲しい、顧問弁護士がいる企業が会社の不利益としか考えられない、個人に対しての嫌がらせをするだろうか。
しかし、用心には越したことはない。不安を感じるのであれば、弁護士が対応する退職代行サービスを利用すべきだろう。
まとめ
退職代行サービスで考えられるトラブルなどについて紹介した。トラブルには、代行業者の問題点と、会社側の問題点の2パターンがある。
代行業者のトラブルを防ぐには、実績や口コミの確認、料金形態などの明記があるかの確認、問い合わせ内容の記録、などに注意しよう。
会社側とのトラブルと防ぐには、会社の環境や退職する状況などを考慮し、退職代行業者の種類を弁護士にしてみるなど検討することが重要となる。
嫌な会社で働き続けるのはストレスだ。しかし、会社を辞めることにもストレスを感じるのも普通のことではないか?
ストレスを軽減するためにも、自分の退職に向いている退職代行サービスを探してみてはいかがだろうか。