失業給付金を受けられる条件とは?雇用保険や失業手当とは何?計算や2020年版手続き方法も解説!

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退職した後に貰えるお金として思いつくのは「失業給付金」ではないだろうか?

初めて退職する会社員にとっては、「自分はもらえるの?対象者なの?」「どうやって手続きするの?」「いくらくらい貰えるの?」など、さまざまな疑問や不安があるだろう。

このページでは、失業給付金とは何かを解説したうえで、計算や手続き方法などを紹介する。退職、転職を考えているなら、ぜひ参考にしてもらいたい。

また、退職するまでの手続きなどについては、関連記事を確認しよう。

失業給付金とは基本手当

失業給付金は、失業手当や雇用保険などさまざまな名で呼ばれているが、どれも同じ意味で考えても間違いではない。失業給付金は、雇用保険の一部と認識しておこう。

雇用保険とは、従業員を雇う事業主に対し、原則として強制適用される保険制度だ。

その雇用保険の一部である「失業等給付」には以下の4種類があり、それぞれの内容は以下のようになる。

失業等給付の種類 給付内容
基本手当 休職中にもらえる失業手当
求職促進給付 主に失業手当受給者が再就職した際に受けられる手当
教育促進給付 特定講座などの受講料支援
雇用継続給付 高年齢での賃金低下、育児や介護での休業者への給付

このページでは、失業等給付の基本手当について紹介していく。

失業給付金の基本手当支給目的

基本手当の支給目的は、被保険者が失業中でも生活費を気にすることなく再就職活動ができるようにするためとしている。

失業給付金の被保険者とは、企業に所属し保険料を納めている、または納めていた会社員などだ。

雇用保険の保険料率と計算例

保険料は、会社(事業主)と自分(労働者)の双方が負担することになっている。

令和2年(2020年)4月1日 〜 令和3年(2021年)3月31日までの雇用保険料率は以下の通りだ。

会社負担 自分負担 合計
一般の事業 6/1,000 3/1,000 9/1,000
農林水産、清酒製造の事業 7/1,000 4/1,000 11/1,000
建設の事業 8/1,000 4/1,000 12/1,000

出典:厚生労働省「令和2年度の雇⽤保険料率について

保険料は、給与や賞与の手取り金額に対してではなく、税金などが控除されていない総支給額で計算される。

対象になる賃金は、基本給やボーナス、通勤手当や残業代など。反対に対象外となる賃金は、出張旅費や祝金などとなっている。詳しくは厚生労働省「雇用保険料の対象となる賃金 」で確認しよう。

例:一般事業の計算式

一般の事業を行っている会社に勤めているなら、以下のような計算で保険料の計算が可能だ。

一般事業における雇用保険の保険料率の計算式
  • 総支給額 ✕ 6/1,000 = 会社負担保険料
  • 総支給額 ✕ 3/1,000 = 自分負担保険料

例:一般事業の計算例

例として、総支給額が50万円であった場合では、保険料がいくらになるのかを計算してみよう。

会社負担保険料の計算例
500,000 ✕ 0,006 = 3,000円

自分負担保険料の計算例
500,000 ✕ 0.003 = 1,500円

となり、総支給額が50万円だった月には、合計金額4,500円の保険料のうち「1,500円」を自分で支払っていることになる。

失業給付金の対象者は全員ではない!?

離職中であることは当然だが、受給資格の有無は、以下のような条件で決まる。

受給資格の条件
  • 雇用保険へ加入しており、失業中であること
  • 積極的に就職する意思があること
  • 就職できる能力(健康状態や環境など)がある状態
  • 原則として、離職前2年間に被保険者期間が12カ月以上ある
    賃金が支払われた日数が11日以上ある月が1カ月となる

参考:厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~

一方、雇用保険に加入しているにも関わらず、受給されないケースは以下などだ。

受給資格がないケース
  • 再就職する意思がない
  • 定年退職後、すぐに就職しない
  • 妊娠や出産育児、病気ケガですぐに就職しない
  • 学業や家事に専念するためすぐに就職しない

参考:厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~

とにかく失業中であっても、再就職する意思がない人は受給対象にならないというわけだ。

失業給付金を受けられる期間は、離職日の翌日から1年間とされているため、再就職の意思があるなら早めに申請することをおすすめする。

また、「自分は雇用保険に加入してるの?」と不安を感じている人もいるだろう。

従業員が1名でもいれば、雇用保険は事業主が必ず加入させる義務があるため、従業員として働いていたなら、通常であれば確実に加入していることになる。

だが、会社が雇用保険をかけていなかったというケースも、少なからず耳にすることがある。

会社を辞めて未加入に気づいた場合でも、2年間は逆上って保険料を支払えるので雇用保険に加入することができる

しかし、2年以上前の分は加入できないため、不安があるなら給与明細などをチェックしておくべきだろう。

いくら貰える?失業給付金の計算方法

失業給付金の計算は複雑なため、正確な支給金額はハローワークの窓口で確認することをおすすめする。

ここで紹介する内容は、おおよその金額を知る方法だと理解していただきたい。

失業給付金の総額を求めるの計算式

計算式と、計算式に当てはまる数字をどのように求めるのかを説明しよう。

計算に必要な情報は以下になる。

計算に必要な情報
  • 賃金日額:基本手当日額を求めるための
  • 基本手当日額:1日当たりの金額
  • 所定給付日数:何日間、支給されるかの日数

順序としては

賃金日額を求める、②基本手当日額を出す基本手当日額を、③所定給付日数を掛けて支給総額を知る

というわけだ。それぞれについて、順番に説明しよう。

① 賃金日額を求める

賃金日額は、離職前6カ月間(180日間)の賃金総支給額を対象に計算する。

賃金日額の計算式

 離職前6カ月間の賃金総支給額 ÷ 180(日間)

退職後、10日程度で会社から送られてくる「離職票ー2」を見れば、離職日以前の賃金状況1年分を月ごとに確認することができる。

しかし、退職を検討し「失業手当はどれくらいもらえる?」と調べているなら、退職後に計算するのでは遅すぎるだろう。

退職を考えているなら、直近6カ月分の給料明細で計算すればおおよその数字を確認可能だ。

また、賃金日額には「上限、下限金額」が設けられている。この数字は毎年改正されるが、2020年7月現在の設定金額(令和2年3月1日からの適用金額)で紹介していく。

離職日の年齡 賃金日額上限 賃金日額下限
29歳以下 13,630円 2,500円
30〜44歳 15,140円 2,500円
45〜59歳 16,660円 2,500円
60〜64歳 15,890円 2,500円

出典:厚生労働省「雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ

② 基本手当日額を出す

基本手当日額とは、失業給付金の1日当たりの支給額と考えよう。年齡と、最初に求めた賃金日額によって条件が異なるので注意が必要だ。

基本手当日額の計算式

賃金日額 ✕ 0.8〜0.5%(給付率)

賃金日額に対して、給付率に0.3%の差がある。この差は、賃金日額が高ければ低く、賃金日額が低ければ高くなるよう設定されているのだ。

よって「各年齡の上限金額なら0.5%(60歳以上は0.45%)」「各年齡の下限金額なら0.8%」となる。詳細は厚生労働省「基本手当日額の計算式及び金額(令和2年3月1日~)」を確認していただきたい。

基本手当日額にも、上限金額と下限金額が設けられているが、この数字も毎年改正される。ここでは、2020年7月現在の設定金額(令和2年3月1日からの適用金額)で紹介していく。

離職日の年齡 基本日当日額上限 基本日当日額下限
29歳以下 6,815円 2,000円
30〜44歳 7,570円 2,000円
45〜59歳 8,330円 2,000円
60〜64歳 7,150円 2,000円

出典:厚生労働省「雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ

③ 所定給付日数を掛けて支給総額を知る

所定給付日数とは、基本手当日額が何日分支給されるか、ということだ。基本手当日額に所定給付日数を掛けた数字が、失業給付金の支給総額となる

所定給付日数は、離職した日の年齡や勤続年数(被保険者期間)退職理由(自己都合なのか会社都合なのか)などによって異なるため、下の一覧表で確認しよう。

参考:厚生労働省「離職されたみなさまへ

計算例

例として、以下のような状況で退職した場合に支給される失業給付金を計算してみよう。

  • 離職した年齡:41歳
  • 勤続年数:18年
  • 退職理由:転職のため、自己都合退職
  • 退職した日:12月31日
  • 離職前6月間の総支給額:7月50万円、8月58万円、9月62万円、10月52万円、11月48万円、12月49万円で、合計319万円

上記の情報さえ把握すれば、おおよその支給額を計算することができる。

賃金日額を求める計算

  • 3,190,000円 ÷ 180日 = 17,722円(少数点以下切り捨て)

17,722円は上限を上回るため、30〜44歳における上限金額「15,140円」が賃金日額となる。

基本手当日額を出す計算

賃金日額が上限だったため、基本手当日額はもっとも低い0.5%となる。

  • 15,140円 ✕ 0.5% = 7,570円

30〜44歳における上限金額の「7,570円」が基本手当日額となった。

総支給額を知る計算

  • 7,570円 ✕ 120日 = 908,400円

自己都合退職の勤続18年、所定給付日数は120日となるため、基本手当日額にその日数を掛けてあげると「908,400円」が総支給額となる。

自分で計算する際の注意点

何度も言うが、これはあくまでもおおよその金額を把握するための参考として理解していただきたい。

計算が複雑であること、賃金日額や基本手当日額の上限は毎年変更されるなど、自分の計算で正確な数字を求めるのは簡単ではない。

数円単位までの正確な金額は、「ハローワークで申請してから確認できるもの」と解釈しておこう。

申請の流れ!失業給付金の受給手続方法

手続きは、すべて「ハローワーク」で行うことになる。

ここでは受給手続きについて、必要な準備する持ち物リスト、申請から給付までの流れを紹介する。

受給手続きに必要な持ち物リスト

失業給付金の受給手続きに必要な書類などは以下になる。

  • 離職票ー1
  • 離職票ー2
  • マイナンバーカード
  • 印鑑
  • 写真2枚
  • 本人名義の通帳
  • 雇用保険被保険者証

入手方法や代替書類などの詳細は、下の表で説明しよう。

リスト 入手先や備考
1 離職票ー1
  • 退職後会社から10日程度で送られてくる
  • 給付金振込を希望する口座番号を記入
  • 個人番号欄は申請時に窓口で記入する
2 離職票ー2
  • 退職後会社から10日程度で送られてくる
  • 下部の写真貼付欄に上半身の写真を貼る
3 マイナンバーカード
  • 別途申請が必要
  • 無い場合は以下①②の2種類で対応可
    ①個人番号通知カード、番号記載の住民票
    ②運転免許証などの身分を証明できるもの
4 印鑑
  • スタンプ、シャチハタは不可
5 写真2枚
  • サイズ「縦3.0cm✕横2.5cm」
  • 1枚は離職票ー2の写真貼付欄に貼る
  • 3カ月以内の上半身の写真
6 本人名義の預金通帳
  • 離職票ー1の口座番号記入欄に金融機関による
    確認印があれば不要
7 雇用保険被保険者証
  • 会社によって会社保管、自己保管のケースあり
  • 会社保管なら、離職票に同封されてくる
  • 申請必須書類ではないが加入の証。紛失に注意

詳しくは、厚生労働省「離職されたみなさまへ」を確認していただきたい。

申請から給付までの流れ

同じタイミングで申請しても、退職理由によって給付までの期間に違いがある。自己都合、会社都合それぞれについて紹介しよう。

自己都合退職 会社都合退職
申請、受給資格決定
7日間の待機期間(7日間失業状態であること)
雇用保険受給者初回説明会(参加必須)
3カ月の給付制限
失業の認定
失業給付金の支払い開始

大きな違いは、自己都合退職では3カ月の給付制限が設けられていることだ。

各項目について説明していこう。

① 申請、受給資格決定

失業給付金を受給する本人が、ハローワークの窓口で申請する必要がある。前述したリストの物を持参し申請しよう。それらの書類などの内容により、受給資格の有無が決定される。

失業給付金を受給できるのは離職日から1年間をなるため、できるだけ早く申請するようにしよう。

② 7日間の待機期間

受給資格決定から、失業状態が通算7日間経過するまでが待期期間となる。待機期間中は失業給付金は支給されない。

③ 雇用保険受給者初回説明会

必ず出席する必要がある説明会。この日、失業認定日が決定する。

④ 3カ月の給付制限

自己都合退職者に限り、7日間の待機期間からさらに3カ月間の待機期間が設けられている

⑤ 失業の認定

失業認定日とは、失業状態であること、求職活動を行っていること、などを確認される日となる。申請し確認されれば認定を受けられる。

4週間に1回のペースで設定され、受給資格者証と失業認定申告書を提出する。

⑥ 失業給付金の支払い開始

失業の認定を受けてから、約1週間程度で支払われる。

次の失業認定日まで再就職が決まらなければ、再び4週間ペースで「失業認定→支払い」を所定給付日数分繰り返すことになる。

また、所定給付日数を残して再就職した場合でも「再就職手当」を受けられるため、積極的な就職活動をしよう。

詳しくは、厚生労働省「離職されたみなさまへ」を確認していただきたい。

まとめ

退職にはさまざまな不安がつきものだ。特に生活を維持するためのお金の問題で、転職を諦めてしまうケースもあるだろう。

しかし、失業給付金のおおよその金額を把握しておけば、どれくらいの期間を再就職活動に費やせるかなど、ある程度の計画を立てやすくなる。

また、年齡や勤続年数によって受給できる金額も変わるため、どのタイミングで退職すれば効率的なのかも判断できる。

もし、退職を考えているなら、これらの情報を知り転職活動に最適なタイミングを探ってみてはいかがだろうか。

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